パーツの選び方
CPUの選び方
目次
CPUの役割とメーカー
CPUの役割と性能
CPUは、OSやアプリの命令を実行するパーツです。表計算で大量のデータを計算したり、ファイルを圧縮したりする処理を担います。性能を見るときは、自分が行う作業をどれだけ速く終えられるかが目安になります。

1つの処理を進める力がシングルコア性能、複数の処理を並行して進める力がマルチコア性能です。コア数やGHzだけで性能は決まりません。設計・世代・キャッシュ・冷却も影響するため、使うソフトの実測結果で比較しましょう。
CPUの性能を一覧で比べるなら、PC自由帳のCPU性能比較表がおすすめです。スコアは性能の目安として、使うゲームやソフトの結果も合わせて確認しましょう。
IntelとAMD Ryzenの違い
主な選択肢は、IntelのCore・Core Ultraと、AMDのRyzenです。どちらにも普段使いからゲーム・制作まで対応するCPUがあります。ゲーム重視ならAMD Ryzenが有力で、中でもX3Dはゲーム性能を重視したシリーズです。動画編集では、動画の読み込みや書き出しを助ける「Quick Sync」が使えるIntelの内蔵GPU搭載CPUも候補になります。
これは選び始めるための傾向で、メーカーだけで優劣は決まりません。Ryzenにも制作向けの高性能CPUがあり、Intelでもゲームを楽しめます。事務作業やネット中心なら、どちらでも必要な性能を満たせます。
最後は、使うゲーム・ソフトの実測性能と、構成全体の価格で比較しましょう。Quick Syncの利用には、CPUの対応・内蔵GPUの有効化・ソフト側の対応が必要です。
あくまで傾向です。世代・型番・予算・使うソフトによって、適したCPUは変わります。
用途別のCPU性能
ゲーム性能と作業性能
ゲームでは、1コアの処理の速さやキャッシュが重要です。fps(1秒間に表示する画像の枚数)の平均だけでなく、重い場面でどれくらい下がるかも見ましょう。自分の画面の解像度とGPUに近い条件の結果が参考になります。
動画編集や3D映像の生成では、多数のコアで作業を分担できる処理ほど、マルチコア性能が効きます。配信や録画を同時に行う場合も、ゲーム単体よりコア数に余裕を持たせると安定しやすくなります。
コア数とスレッド数
コアはCPU内部で処理を行う単位です。スレッド数は、OSから見た同時に処理できる流れの数を示します。1コアで複数スレッドを扱うCPUもありますが、すべての製品が『コア数の2倍』になるわけではありません。
動画の書き出しや3D映像の生成など、処理を分担できるソフトでは多くのコアが役立ちます。ゲームではコア数に加えて1コアの性能も重要です。コアの種類が異なるCPU同士は、数だけで比較しないようにしましょう。
クロックとGHz
クロックはCPUが動作する周期の速さで、GHzはその単位です。1GHzは1秒間に10億回の周期を表します。同じ設計のCPUなら、高いクロックで動くほど処理を速く進めやすくなります。ただし、1周期で処理できる量はCPUの設計によって違います。
最大ブーストクロックは、CPUが一時的に動作速度を上げるときの最高値で、温度や電力などの条件がそろったときの値です。全コアが常にその速度で動く意味ではありません。長時間の作業では、クーラーや電力設定も処理速度に関わります。
CPUキャッシュの役割
キャッシュは、CPU内部にある高速な一時記憶領域です。よく使うデータを近くに置くことで、メモリへ取りに行く待ち時間を減らします。L1・L2・L3など、速さと容量が異なる階層があります。
キャッシュが多いと有利なゲームや処理もありますが、容量だけで速さは決まりません。同じ条件の実測結果を見て、価格差に見合う効果があるかを考えましょう。
CPUの性能比較
ベンチマークは、同じ処理を実行して性能を測るものです。総合スコアだけでなく、使うゲームのfpsや制作ソフトの処理時間を見ましょう。ゲームでは平均fpsに加え、低下した場面のfpsも快適さの参考になります。
GPU・解像度・画質・メモリ・電力設定が違う結果は、そのまま比較できません。CPU本体の価格に、マザーボードと冷却の費用を加えた総額で候補を比べると、予算を配分しやすくなります。
| 用途 | 重視すること |
|---|---|
| 普段使い | 1コア性能・省電力 |
| ゲーム | ゲームの実測性能 |
| ゲーム+配信 | 同時処理の余裕 |
| 動画編集・3D | ソフトでの処理性能 |
内蔵GPUと性能バランス
内蔵GPUの有無
内蔵GPUがあれば、対応マザーボードの映像端子から画面を出せます。グラフィックボードを使わない普段使いPCに向くほか、GPU故障時の切り分けや動画処理の補助にも役立ちます。
型番の末尾にFやKFが付くIntelのCPUや、末尾にFが付く一部のAMD Ryzenは、画面を出す機能(内蔵GPU)がありません。こうしたCPUでは、別にグラフィックボードが必要です。マザーボードに映像端子があっても画面は出せないため、CPUの商品仕様にある「内蔵グラフィックス」の欄を確認しましょう。
GPUとの性能バランス
CPUとGPUのバランスは、解像度、目標fps、ゲームで変わります。フルHDで高fpsを狙う場合はCPU差が出やすく、4K・高画質ではGPU側の影響が大きくなります。
配信や録画では、同時に動かすソフトと、映像を圧縮する処理をCPUとGPUのどちらで行うかによっても負担が変わります。自分の画面の解像度とGPUに近い性能比較の結果を参考にすると、CPUへどれだけ予算をかけるか判断しやすくなります。
マザーボードとの互換性
CPUソケットと互換性
ソケットは、CPUをマザーボードへ取り付ける接続規格です。CPUとマザーボードのソケットが異なると、取り付けられません。製品仕様の『対応ソケット』をそろえることが最初の条件です。
同じソケットでも、対応CPU一覧とBIOSの確認が必要です。マザーボードの製品ページでCPUの正確な型番を探し、CPUを動かすための設定プログラム「BIOS」が、必要なバージョンになっているか確認します。CPUクーラーにも、そのソケット用の取り付け金具が必要です。

消費電力と冷却
TDPと消費電力の違い
TDPはThermal Design Powerの略で、CPUの冷却設計を考えるための電力の指標です。単位はWですが、PC全体の消費電力や、常に使う電力ではありません。メーカーによって定義や条件が異なります。
Intel Coreの第12世代以降では、基準となる電力(Processor Base Power)と、動作速度を一時的に上げるときの最大電力(Maximum Turbo Power)が仕様に載っています。高速動作中は基準の電力を上回る場合があるため、クーラーは対応CPUと負荷時の冷却性能、電源はGPUも含む構成全体で選びます。
CPUクーラー付属の有無
箱入りで販売されているCPUでも、クーラーが付属するとは限りません。たとえば、型番の末尾にKやKFが付くIntelのCPUには、クーラーが付かない製品があります。「トレイ版」と呼ばれる簡易包装のCPUも、通常は別売りクーラーが必要です。
AMD Ryzenも、クーラーが付くかは型番によって異なります。商品ページの「付属品」や「Thermal Solution(冷却装置)」の欄を確認しましょう。別売りクーラーを選ぶ場合は、CPUに取り付けられるか、ケースに収まるか、メモリにぶつからないかを確認します。

CPUを選んで、構成を作る
予算とGPUとのバランスも、まとめて比較。
参考資料
画像の出典とライセンス
- CPUと取り付け金具、グラフィックボードの実物例。世代が変わると対応する規格も変わります。撮影・制作:Andrey Matveev / Pexels License / 公式配布画像をリサイズ・WebP変換。表示時に中央を横長にトリミング。
- AMD AM5ソケット。ソケット名に加え、マザーボードの対応CPU一覧と必要BIOSも互換性の条件です。撮影・制作:CristoCalis / CC BY-SA 4.0 / 記事レイアウトに合わせてリサイズ、WebP変換。
- メモリと簡易水冷を搭載したPC内部。使用枚数や取り付け位置は構成によって異なります。撮影・制作:Ivelin Donchev / Pexels License / 公式配布画像をリサイズ・WebP変換。表示時に中央を横長にトリミング。