自作PCNAVI

パーツの選び方

CPUグリスの選び方

注射器型の容器に入ったCPU用グリスと塗布用へら
CPUグリスはCPUとクーラーの細かな隙間を埋め、熱を伝えやすくします。
この記事の目次

CPUグリスの役割

CPUとクーラーの接触面には目に見えない凹凸があり、そのまま重ねると空気が残ります。CPUグリスは隙間を埋めて熱の通り道を作り、CPUからクーラーへ熱を移しやすくする材料です。

一般的なグリスと液体金属

一般的なCPUグリスは扱いやすく、初めての組み立てにも向きます。液体金属は高い熱伝導性能を持つ一方、電気を通し、アルミニウムを損傷させる製品があるため、対応素材と塗布方法が限定されます。

熱伝導材料の違い
種類特徴主な条件
一般的なグリス扱いやすい製品ごとの電気伝導性
液体金属高性能だが上級者向け導電性と接触できる金属

熱伝導率表記

W/mKで示される熱伝導率は材料の性質を表しますが、メーカー間で測定条件が統一されているとは限りません。実際の温度は塗り広がり、層の厚さ、クーラーの圧力、接触面にも左右され、数字だけでは性能差を決められません。

電気を通すか

非導電性のグリスは周辺へ少量はみ出した場合の短絡リスクを抑えやすくなります。金属を含む製品や液体金属には導電性を持つものがあり、CPUソケットや基板上の部品へ付着すると故障につながります。製品仕様の電気伝導性が安全条件です。

粘度と塗りやすさ

柔らかいグリスは圧力で広がりやすく、硬いグリスは塗布に力やへらを必要とする場合があります。性能が近い製品では、室温での扱いやすさ、付属アプリケーター、拭き取りやすさが組み立て作業の差になります。

塗る量とパターン

適量はCPUのヒートスプレッダー形状とグリスの性質によって異なります。少なすぎると全面へ届かず、多すぎると周囲へはみ出しやすくなります。中央1点、複数点、線状など、グリスまたはクーラーメーカーが示す塗布例が基準です。

グリスが塗布されたCPUとCPUクーラーの接触面
グリスは厚い層を作る材料ではなく、金属面の微細な凹凸を埋めるために使われます。撮影・制作:Jyothis CC BY-SA 3.0 記事レイアウトに合わせて白背景へ配置し、リサイズ、WebP変換

クーラー付属グリス

CPUクーラーにはグリスがチューブで付属する製品と、接触面に塗布済みの製品があります。新品クーラーの付属グリスで必要な機能を満たす場合は別売り品が必須ではなく、複数回の取り付けや長期保管には追加の容量が役立ちます。

古いグリスの清掃

クーラーを取り外した後の古いグリスは、再装着前にCPUとクーラーの両面から除去します。毛羽の出にくい布や専用ワイプ、イソプロピルアルコールが使われ、表面が乾いて異物のない状態で新しいグリスを塗布します。

塗り直す時期

一定期間ごとの塗り直しが必ず必要なわけではありません。クーラーを外した場合、同じ負荷と室温でCPU温度が以前より明確に上がった場合、グリスが乾燥した場合が交換の目安です。使用可能期間は製品ごとに異なります。

保管方法と使用期限

開封後のグリスはキャップを密閉し、直射日光と極端な高温・低温を避けて保管します。時間が経つと分離や乾燥が進む場合があり、メーカーが示す開封後の保管期間と、押し出したときの状態が使用可否の目安になります。

液体金属の注意点

液体金属は電気を通し、アルミニウム製クーラーには使用できない製品があります。ニッケルメッキ銅など対応する接触面、周辺部品への絶縁、極少量の塗布が必要で、表面に跡が残ったり保証条件へ影響したりする場合もあります。一般的な自作PCには非導電性グリスの方が扱いやすい選択です。

必要な性質が決まったら

実際の構成でCPUグリスを選ぶ

扱いやすさと電気伝導性、クーラー付属品の有無に合う製品が候補になります。

CPUグリスから構成を作成する

参考資料

画像の出典とライセンス